MY STORY

私のストーリー(気まぐれ日誌)

2021-08-17

第九章:【アフリカン雑貨との出会い】

前章の渡航トラブルの末、ようやくたどり着いたアフリカ。

1週間の滞在予定だったので、貴重な3日間がなくなってしまった私は、駐在員からも同情されて、残りの日程を最適なスケジュールに変更していただくことができました。

ナイロビの市場へ

何か仕事のヒントを得たかった私は、アフリカン雑貨に興味があって、いろんなお店を見て回ることにしました。

ちょうどケニアに来る前に仲のいい LOFT の開店準備室のバイヤーにも伝えていたので、店長からの承諾も得ていた私は、梅田店の開業に合わせてアフリカン雑貨を館内のいたるところで展開していただくことになっていたのでした。

ナイロビの市場:何でもそろう場所

アフリカにはTINGA TINGA ティンガティンガという流派の絵があります。その一番弟子のひとりが、「ムパタ」。実は彼らは本物の動物を見たこともなかったのです。

何故なら、アフリカでは動物は保護区にいてお金を払う人しか見ることが出来ないからだと聞かされました。

この TINGATINGA の絵は、タンザニアの村に住んでいる現地人が、昔のブラウン管テレビの裏側などについている粗野なボードを使ってその上に直接描いているのですが、TINGATINGA 亡き後は、ムパタが有名で売れっ子でした。

コピーライターで作家の糸井重里さんもコレクターでした。

私は、LOFT 用もあわせて100枚ほど購入しましたが、あっという間に良い絵は売れてしまいました。

  • TINGA TINGA ティンガティンガという流派の絵
  • TINGATINGA とはこの流派の絵の創始者で人名
  • ソープストーンという加工しやすい石の皿
  • サイザルという植物繊維を編んで作ります。耐久性も非常にいい

また、私はソープストーンにも強く惹かれてしまいました。無地のソープストーンに絵を描いてそれから繊細な彫刻を施してあるのですが、すべては、手彫りで手描きのオールハンドメイドなので一点ものです。大変ショックなことに輸送中に半分以上は粉々に割れていました。


そしてサイザルという植物繊維を編んで作ったかご。 左上は、ランドリーバッグ。その他はフルーツなどを盛ってセンターテーブルに。

  • 乾燥させただけのシンプルな木の枝で作ったベッド。以外に強い
  • 大きな丸太からくりぬいて作る木彫りのボウルは見事というしかない
そんなわけで、その買い付けでほとんど残りの日数がなくなった私は、駐在員の勧めもあって山に行くことにしました。野生の動物が夜中に水をのみに池の周りに集まってくるそうなので、そのホテルを予約してもらいました。
  • 装甲車のような頑丈な車で、どんどん未開の山へと進みます
  • 一時間半ぐらいかかったように思いますが、ホテルの前に到着
  • THE ARK: 木造のお洒落なホテル
  • 客室は、外に向かって一列に並んでいる。まるで船室のような空間
  • 各客室の窓は一か所。窓の外は野生の王国。窓から動物がすぐそこに見える
  • 部屋から撮った大きな像の写真
  • 展望デッキ。標高は 2,000m 以上なので、夏でも寒い
  • レストランに向かう道 (キャットウォーク)

レストランに向かう高所にある道をキャットウォークというのですが、夜歩いているのは、なんとネコ科のレオパルド(豹)です。

  • 夜と次の日の朝の食事は、旅行者が一堂に会して食べます
  • カレン・ブリクセン博物館

アジア人は、私一人。皆さんは家族やカップルで欧米人ばかりでした。日本ではまだ封切られていない映画の話など、一人取り残されたようで孤独な時間を過ごしました。

  • あの映画「愛と哀しみの果て」OUT OF AFRICA で有名なカレンの家
  • カレン・ブリクセンの著書

映画では、メリル・ストリープ、ロバート・レッドフォードが主演していましたが哀愁漂ういい映画でした。その舞台となった家や庭を散策できました。

  • 翌日は、最終日。早朝サファリというのがあると聞いて最後の見納めに!
  • サバンナに悠々と草を食むシマウマたち
  • キリンの走る速さにびっくり!!
  • 雄大なこのサバンナにやがて夕日が沈みます。

旅の最後に見た夕日は、バオバブの木のシルエットの向こう側にゆっくりと沈んでゆきます。ディレクターチェアに腰を沈めてただ夕日だけを見ていたのですが、真水のような涙が溢れて止まりませんでした。そして、ずっと昔、自分はここから出生したという確信のような感情が沸き上がったのをいまでも実感として覚えています。

600万年前から700万年前に、人類はこのアフリカの大地から生まれてきたという説は本当だったのだ、という確信でした。


次章へ続く・・・・