/ALCHEMIST LABシリーズの香水「Scents of Multiplying Eau de Parfum」は、1本でも完成された香りながらも、No.01から05までの複数の香水を自由に重ねることで、自分だけの香りを創り、楽しむ事がコンセプト。香りを重ねる順番や部位、量、タイミングによって香りの印象は変わり、気分やシーンに合わせ、自分だけのストーリーを創りだす新感覚フレグランスです。
この「香りを重ねる」という文化は、アラブの女性たちや古くは日本でも平安時代の貴族が香りで自己表現を楽しんでいました。例えば『源氏物語』では光源氏が庭に香料を埋めて発酵させ、自分だけの練り香を作っていたという逸話もあるほど。こうした歴史的背景を現代に受け継ぎ、この香水はジェンダーを問わず、香りを重ねて「自己表現のひとつ」として楽しめるよう設計されています。
フレグランスメーカーのアート・ラボがお届けする【フレグランス・ラボ通信】第23回目は、そんな組み合わせ次第で無限の表情を生み出す、Scents of Multiplying Eau de Parfumレイヤード(香りの重ね付け)例をご紹介します。

おすすめその1 「爽やかさのレイヤード(No.01+No.05)」
同じ部位にN°01「Mint Grass」とN°05「Musk Oud」を重ねると、まずは透明感のあるミントとグラスの清涼感がすっと広がり、軽やかでみずみずしい第一印象を与えます。その後、奥からじわりとムスクとウードの温かみが重なり、時間の経過とともに深みのある余韻へと移ろう香りです。
爽やかでありながら単なる軽快さにとどまらず、肌に馴染むように包み込む印象は、ミントとグラスの香りがメインのリフレッシュさだけでなく、大切な人と会うシーンでも好印象を残します。
ジェンダーレスに使える万能な組み合わせで、憂鬱な朝の通勤時や自分らしい軽やかさと落ち着きを両立させたい方におすすめのレイヤード例です。

おすすめその2 「心落ち着くレイヤード(No.02+No.05)」
同じ部位にN°02「Basil Mandarin」とN°05「Musk Oud」を重ねると、トップはハーバルなバジルとマンダリンの明るくフレッシュな香りが広がり、気分をリフトアップさせてくれます。そこにムスクの柔らかさが加わることで、次第に包み込まれるような温もりを感じられる落ち着いた印象へと変化します。
明るさと安心感を兼ね備えた香りは、時間や季節を問わずデイリーユースとして扱いやすく、朝のスタート〜リラックスしたい夜まで使えます。仕事の合間の気分転換にも、休日に肩の力を抜きたいときにも寄り添ってくれる万能な重ね付けの香りに。
爽やかさの中にも穏やかさを秘めた心落ち着く香りを求める方におすすめのレイヤード例です。

おすすめその3 「余韻を楽しむ芳醇なレイヤード(No.03+No.05)」
同じ部位にN°03「Jasmine Patchouli」とN°05「Musk Oud」を重ねると、華やかで官能的なジャスミンの香りがまず印象的に立ち上がります。そのフローラルな甘やかさは時間とともに落ち着き、パチョリとウードがもたらすスモーキーで奥行きある香りが重なり合います。
甘さに頼らない洗練された深みが肌に溶け込むように広がり、静かな余韻を長く楽しむことができます。そんな大人の気品を漂わせる芳醇な香りは、夜の特別なシーンや大切な人とのひとときを演出するのにもぴったり。
スマートで芯のある凛とした中に穏やかな温かみが広がる、大人の余裕と洗練さを感じさせるレイヤード例です。

おすすめその4 「ビターで引き締まったレイヤード(No.04+No.05)」
同じ部位にN°04「Bitter Citrus」とN°05「Musk Oud」を重ねると、最初に感じられるのはシャープで大人びたビターシトラスの凛とした香り。その後、ムスクとウードの深みが合わさり、穏やかさと温かみを帯びながらも芯の通った印象へと変化します。
フレッシュさに留まらず、引き締まった余裕と洗練さを漂わせるこのレイヤードは、ビジネスやフォーマルな場面にも映えるスマートな香りです。凛とした空気感を纏うことで、信頼感や知的な印象を強めることができるでしょう。
ビターな爽やかさと落ち着きを同時に表現したい方にふさわしいレイヤード例です。

おすすめその5 「透明感のあるレイヤード(No.01+No.04)」
N°01「Mint Grass」を上半身、N°04「Bitter Citrus」を下半身に吹きかけると、トップは清潔感あふれるミントの清涼感が広がり、すぐにビターシトラスが下半身から香り立ち、全体に立体感を生み出します。
爽やかで透明感のある香りに、ほのかな苦みが奥行きを与えることで、清潔感とシャープさが絶妙に調和します。朝のリフレッシュや集中したいときに特におすすめで、頭をクリアに整えながらも、軽やかで誠実な印象を演出してくれます。
クリーンでありながらも単調にならない、洗練された香りを楽しみたい方にふさわしいレイヤード例です。

おすすめその6 「爽快で奥行あるレイヤード(No.02+No.04)」
N°02「Basil Mandarin」を上半身に、N°04「Bitter Citrus」を下半身に吹きかけると、まずはバジルとマンダリンのフレッシュで生き生きとした香りが軽やかに広がります。明るく抜け感のある第一印象はとても爽快で、清潔感にあふれています。
その後、下半身から立ちのぼるビターシトラスのほのかな苦みとシャープなエッジが全体に奥行きをもたらし、香りが引き締まっていくのを感じられます。クリーンさの中に凛とした存在感を感じさせるこの重ね付けは、ビジネスや日常で自然体の自信を纏いたい時にもぴったり。
すっきりとした清涼感に奥深さを加えたい方におすすめのレイヤード例です。

おすすめその7 「フローラルで引き締まったレイヤード(No.03+No.04)」
N°03「Jasmine Patchouli」を上半身に、N°04「Bitter Citrus」を下半身に吹きかけると、まず上半身に漂うジャスミンの華やかで柔らかなフローラルが印象的に広がります。しかしその甘やかさは下半身から立ち上がるビターシトラスによって引き締められ、全体にクリーンで凛とした印象を与えてくれます。
フローラルの華やかさを保ちながらも、甘さを抑えて清潔感を際立たせた香りは、日中のシーンにとても映え、爽やかでありながら芯のある雰囲気を纏うことができます。
可憐さと凛々しさを両立させたい方におすすめの、バランス感の良いレイヤード例です。

おすすめその8 「時間軸のあるレイヤード(No.01+No.04+No.05)」
N°01「Mint Grass」を胸元に、N°04「Bitter Citrus」を手首に、N°05「Musk Oud」を下半身に吹きかけると、それぞれの香りが段階的に立ち上がり、時間の経過とともに移ろう立体的な香りを楽しめます。
胸元からは清涼感あふれるミントの爽快さがすぐに香り立ち、手首ではビターシトラスの鮮烈なアクセントが躍動感を添えます。さらに下半身からはムスクとウードの重厚な深みがじわじわと広がり、全体を落ち着かせるように包み込みます。
フレッシュさ、明るさ、そして深みを一度に味わえる贅沢な組み合わせで、朝から夜へと香りが変化するように自分を演出したい方におすすめのレイヤード例です。

おすすめその9 「洗練された印象のレイヤード(No.02+No.04+No.05)」
N°02「Basil Mandarin」を胸元に、N°04「Bitter Citrus」を手首に、N°05「Musk Oud」を下半身に吹きかけると、明るい柑橘のトップが軽やかに広がり、手首のビターシトラスが全体にスパイシーなエッジを添えます。
そして最後に下半身からウードとムスクが重なり、落ち着いた深みをもたらします。軽やかさと重厚さがバランス良く共存し、明るさの中に成熟した洗練さを感じさせる香りに仕上がります。
普段使いはもちろん、ビジネスやフォーマルなシーンにも適しており、知的で洗練された印象を与えたいときにぴったりのレイヤード例です。

おすすめその10 「自然の移ろいを感じるレイヤード(No.01+No.02+No.03)」
同じ部位にN°01→N°02→N°03の順で時間を空けて重ねていくと、香りがまるで自然の景色が変わるように滑らかに移ろっていきます。まずはN°01のミントとグラスによる透明感のある清涼感が立ち上がり、次にN°02のバジルとマンダリンが加わり、フレッシュで明るいハーバルシトラスの印象を広げます。最後にN°03のジャスミンとパチョリが重なり、柔らかく華やかなフローラルの甘さが漂います。
清涼感から鮮やかさ、そして華やかさへと香りが自然に変化するこの重ね付けは、軽やかで優しく、日常のさまざまなシーンに寄り添ってくれます。
ミントとハーバルシトラス、そしてフローラルが開いていく、自然の移ろいを感じるレイヤード例です。

最後に
「Scents of Multiplying Eau de Parfum」は、香りを重ねて自分だけのストーリーを創る楽しさを体験できるシリーズ。ここで紹介した10通りのレイヤード例はあくまでも一例に過ぎません。この香水の組み合わせ方は無限大(∞)。例えばご自身で携帯アトマイザーに各No.の香水を色々な比率で組み合わせることで、また細かなニュアンスも楽しむことができるでしょう。
ぜひあなた自身で新しい組み合わせを試して、自分だけの香りを発見してみてください。
ではまた次回、【フレグランス・ラボ通信】〜香りのエトセトラ〜でお逢いしましょう。